宇賀田会計事務所ニュース 平成23年10月号
2011/10/04
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脱税についての話
先日、法人会青年部の方々向けに、「脱税って得?」というタイトルで、脱税に関する話のセミナー講師をしてきました。当然脱税は犯罪ですので損得なんて関係ないのですが。
その中の話からいくつか紹介します。
(1)脱税と節税の違い
税法政令の範囲内での取引であっても、否認されたり、さらには、脱税行為とみなされることがあります。一体通常の取引と何が違うのでしょうか?
一番は、合理的な行動であるという自然な説明ができるかどうかという点です。
例えば、「代表取締役から降格人事を行いました。でも給料は増えて、従業員の中でも一番です。」というケースです。代表取締役でなくなれば、責任が減って、給与が大幅に減るはずなのでなんか不自然です。なぜ増えた?これで賞与が出ていたりすると、賞与部分が実は実質役員賞与でしょ?と否認される可能性が出てきます。
自然で納得できるストーリーを作りましょう。税務署の方も、人間ですので、納得できる話であれば納得してもらえます。
(2)代表的な脱税手法
① 「架空経費の計上」 と「売上の未計上」
今も昔も基本的な大スキームです。
② 消費税を意図的に回避する手法
次々と人材派遣会社を設立して、消費税の課税事業者になる前に従業員を転籍させたりして、人件費を実質課税仕入にします。
③ 海外のいわゆるタックスヘイブンを利用して所得等を避難させるケース
上記は例ですが、②、③は、脱税目的でなく、普通の活動として行われてもおかしくないのです。こんなとき自然なストーリーがあるかどうかが、大きな分かれ目ということになるようです。
(3)脱税が発覚すると・・・・
通常の税金(本税と地方税)のほか延滞税、重加算税で、たいてい脱税で隠した金額の0.9~1.4倍くらいは課税されることになります(現在、法人税の実行税率は800万円まで0.28倍くらい)。
脱税した本税額が2千万円を超えてくると刑事事件化されるかもしれなくなり、さらに大きな金額なら実刑です。懲役刑等と脱税額の20~25%くらいの罰金が併せて課されます。
この他に社会的な制裁として、例えば入札に参加できない、免許停止、懲戒処分、取引停止などもあります。
いずれにしろ、『脱税』は現在の日本社会ではリスクだけが大きく、また手間暇、経営方針の一貫性などからみても、会社にとって正しい意思決定とは全く言えないと思います。
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○ハリーポッターはご存知でしょうか?日本だけでもシリーズで2000万部(全世界で6億部)を超え、映画の興行収入で累計1000億円に達する魔法使いの話です。
先日、映画版の最終話『死の秘宝PARTⅡ』を見てきました。ちなみに私は、たまたまシリーズ全作小説も映画も見ています。
○今回、はじめてハリーポッターが3D映画になりました。3D映画を体験した方であれば分かると思うのですが、「迫力があっていい!」という方もいれば、「映像がぶれるだけ」とか「見てて気持ちが悪くなる」という方もいて、賛否があるところです。そんないいとこばかりと言えない3D映画で製作されたハリーポッターですが、「3Dで良かった!」というシーンはほとんどなかった気がします。
○3D映画の代表作というと『アバター』でしょう。3D初期の作品で試行錯誤だったと思うのですが、映像の見せ方やカット割など「『3D』にしたらどうなる?」という意識や挑戦が感じられる面白い映画でした。
映像業界だと3Dは革命的で、今後の収益を左右する技術なのだと思います。だからその技術を使いながら、良さを伸ばし、映画は3Dでなくちゃ!って思わせないといけません。特にヒット確証作では絶対必要なことです。
○新たな技術や方法を取り入れることは、持続的な成長において必ず必要です。しかし、ただ取り入れるだけで、全体へ十分な効果が得られるわけではありません。もう一味、自社の何かを加える、自分のものにしないと、折角取り入れたことの決断、投資の意味も半減してしまいます。そしてその思考錯誤こそがノウハウとして競争力かと。
○こう書くと面白くないように見えますが、ハリーポッターシリーズは相当面白いです。面白いので、ケチをつけてます。