宇賀田会計事務所ニュース 平成22年7月号
2010/07/02
みなさま宇賀田会計事務所をいつもご利用いただき、ありがとうございます。
先月も鳥の話を冒頭に書いたのですが、うちの事務所の裏は原っぱになっているせいか、スズメが相当な数やってきます。すっかり夏気分ですが、梅雨は来ているのでしょうか。
1.源泉所得税の納期です。
源泉所得税の納期の特例を申請している皆様
7月12日(月)が源泉所得税の納期となります。
弊事務所で計算を承るお客様、順次資料等のお願いをさせていただいております。なにとぞご協力のほどよろしくお願いいたします。
この時期、労務関係の締め切りも多いです。
労働保険もありますし、厚生年金の算定基礎額の算定の時期も7月12日となっています。お忘れなく。
2.設備等の投資のはなし
今日は、投資のはなしを書こうかと思います。有価証券やFX等の外国為替ではありません。設備投資のお話です。あるいは人材投資でしょうか。
昨今の不況の影響で・・・なかなか投資をしようという余力のある方も少なくなっているかと思います。長野県も2008年の赤字法人比率が78.2%に達したと報道されていました。
長引く不況でそれどころではない。先行きが不透明なので、お金を残しておきたいという方が多いのも十分に理解ができます。
ただ、お客様で投資をされた方が良いのではないかというケースも確かにあります。さて、どんな時に投資は行うのが望ましいでしょう。
(1)古い設備の更新
「お金がないから投資をしない。」どうしようもないケースもありますが、設備が古すぎる場合にはちょっと無理してでも、投資を考えるべきです。景気が回復するまで待つという発想だと、やや良くなったときに、本来提供すべき商品の水準の設備を持っていないという結果に陥りかねません。まず、最低限必要なものが老朽化で機能が果たせないのなら必ず取り替えましょう。
また、トラックを使っていて頻繁に修理が必要なケースも新車を買ってしまった方がよい気がします。だましだましの修繕費だけでもばかになりません。新車は燃費も全く違います。エコカー減税もまだあります。
車に限らず、最近の設備の性能は10年前のものと比較にはなりません。機能の向上だけでなく、維持費もかなり見込める可能性があります。
例として適切かは分かりませんが、宇賀田会計事務所でも2年前に、サーバー等の情報機器、電気設備等、建物等をほぼ全部を改修しました。
弊所の場合は、「古くなったから投資」の例になると思います。
① 雨漏りが直り、電話が安定してつながるようになるなどの最低限の機能が回復した。
② エアコン、情報機器の電気料金、保守料等が2割くらい下がった。
③ レイアウト、収納等を再検討した結果、書類の整理管理、デッドスペースの削減、作業効率が高くなった。
④ 単純に事務所がキレイになって快適になった。結構大事な要素です。
(2)将来に向けての投資
「景気が悪いから投資をしない。」この発想はあまりよくありません。景気が良くなると投資してある事業所から受注が増える傾向があります。景気の変動前に、勝負が決まっているケースも多いのです。
近年は2極化が進んでいると言いますが、現在のような環境下でも収益を維持している方は、なんらかの「投資」をされているケースが多いように思います。
つまり「一歩先ゆく投資」が重要です。
投資は、別に、設備とは限りません。次代を担う従業員、後継者に投資をすることも重要です。人手を新たに採用できる余裕がない等の理由で、日々の業務にただ忙殺されているのでは、なかなか次の一手が打てません(私もそうなっているので、人のことをいえないのですが)。
大変なのは間違いないのですが、ジリ貧ではなく、次に向けた投資を検討しましょう。
(3)投資に先立つもの
① 「資金調達」
大きな課題ではありますが、最近は各種制度資金が幅広く用意されていて、お金は借りやすくなっています。
セーフティネットなどの会社の資金繰り救済資金は、昨今の政策によって比較的容易に調達できるのですが、設備等の資金になるとやや難しくなります。それでも、数年前よりは借りやすいようです。
ただ、資金の一部は自己資金(会社のお金)を充当しましょう。スズキ自動車の鈴木修社長によれば、3分の1は自己資金を用いるべきというお話でした。
投資には、失敗リスクもありますし、設備投資の返済原資が収益だけとなると、通常の資金繰りが不安定になることにつながります。
そのためには、利益が必要になります。「法人税がもったいない」という気持ちは理解できますが、過度な節税は、現金の会社からの流出を大抵は伴うので、会社への負担も大きいケースもあります。
② 投資の勝算の検討
モノにもよりますが、投資の前にはその勝算を検討しましょう。
投資額を見積もって、稼ぎが増えそうな分と削減できそうなコストの合計と比べます。
いずれにしろ、資金調達や意思決定の際の見積もりに関して、会計事務所でお手伝いできることもあります。ご相談いただければ、ありがたいと存じます。