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宇賀田会計事務所ニュース2017年7月版

2017/07/07

宇賀田会計事務所をいつもご利用いただき、ありがとうございます。梅雨のはずですが、植物の育ちが悪く、雨が少ない気がします。栽培方法のせいかもしれませんが。

  • 中小企業の財務数値

最近、会計の話をする機会が何回かあります。お客様に試算表や決算書をお渡しして、税金の計算をしている会計事務所ですが、なかなか財務数値まで深い話をする機会が少ないと思います。

個々の企業の状況によって大きく異なり、会社規模からして個別の課題を解消することが適切だと思うからですが、一般論もお知らせすべきと思うので、今回はそんな話を。

(1)主要な財務数値

項 目 内 容
売上総利益率 売上総利益÷売上高

いわゆる粗利のこと。

業種・会社によって大きな差があるが、利益率を維持できないと、どうしても会社はじり貧になってしまう。

建設業や製造業で20%程度、小売業で30%弱、サービス業だと50%を超えるくらいが平均らしい。

売上高経常利益率
○先日、とある会社のM&A用に休眠会社を譲り受けてきたのですが、破談となりまして会社が残ってしまいました。何かと迷惑が掛かる気がしたので、久々に本店移転と私への取締役変更登記をしてきました。手間も登録免許税もかかるので正直放置したかったのですが。

○登記には、税金はじめ諸費用がかかる。それも一因でしょうが法人も土地等の相続も未登記がもの凄く増えているそうです。本人にとって登記をしないと困ることは、主に売買する時なので、経済価値のない土地を登記しようと思わなくても自然です。所有者不明で困ることもありますが、無関心な本人には周りの迷惑は重要じゃないですし。

○法人登記には休眠会社が強制解散になる制度がありますが、相続登記は強制没収という制度はありません。都市部で5.6%、中小都市や山間部では26.8%が50年超登記されていない所有者が亡くなっている可能性の高い土地だそうです。災害や空き家の時には、なす術なく都市再生に大きな足かせになるようです。人口減少社会かつ田舎だと防げない未登記。所有者不明なら没収できる仕組みがないといけない気がします。現実的にはとてつもなく難しいと思われますが。

○最初戻ると、とりあえず登記済みで法的にはキレイになっている会社です。欲しい方はご一報ください。

経常利益÷売上高

経常利益は、不動産売買損益等の特殊な原因の損益が含まれていないので、見安にしやすい。

中小企業全体で3%が平均値。不動産業などが高い傾向にある。

ROA(総資本利益率) 利益÷総資産

会社資産全体の利回りを示す。総資本経常利益率が中小企業全体で3.6%程度らしい。

これは、利益÷売上(売上高利益率)×売上÷総資産(総資本回転率)に分解する。利益率の確保具合と会社資産が効率的な運用できたことのバランスを見ることができる。

自己資本比率

 

 

純資産額÷総資産

財務安定性を示すと言われる数字で高いほど安定的になる。純資産は、会社の出資受入額と過去の稼ぎの合計なので安定した資金調達といえる。

ホテルや不動産業、大規模設備が必要なメーカーなどの装置産業だと、どうしても悪くなる傾向がある。

労働分配率 労務費・人件費÷付加価値額

付加価値というのは、経常利益+人件費+減価償却+賃借料+租税公課+利息等

企業の営みで生まれた価値をどれだけ人件費に充当しているかの目安。賃上げ交渉などに使われる。中小企業全体で69%くらい。ただ、会社によって計算方法も違うと思われるので、あてにならないかもしれない。

適当にいくつか挙げてみました。目標にする財務数値を1~2個定めるのも経営の方向を決めるのに有用かと思われます。中小企業は、独自色がどうしても強くなりますので、他社と比べるより、自社の過去の趨勢や目標と比較する方が参考にできます。


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