宇賀田会計事務所ニュース平成28年9月版
2016/10/11
宇賀田会計事務所をいつもご利用いただき、ありがとうございます。
1. 社会保険料が9月分から増額されます。
平成28年9月分(10月納付分)から厚生年金保険料率が0.354%引き上げられます。給与計算等の際は新しい料率表を用いて計算にご注意ください。
2. 親族外の事業承継について その2
先月は、会社従業員への事業承継について簡単に触れましたが、候補者がいない場合などは、全くの第三者へM&Aにより事業を譲り渡す方法もあります。
完全な第三者となると、そもそも買収先を見つけてくる事が大変な上に、会社関係者よりシビアな目で会社自体が評価されることになります。
(1)中小企業のM&Aの手法
M&Aには様々な手法がありますが、中小企業の場合には、株式取得もしくは事業譲渡による場合が多いと思われるので、両者を比べます。
項目 | 株式取得 | 事業譲渡 |
性質 | 会社の株式(有価証券)の売買 | 個別財産・権利を一つ一つ移転させる個別契約 |
承継 | 全部の権利義務を承継 | 承継するものを指定可能 |
特徴 | ・契約は容易だが、会社全部を承継するので、予期せぬ事態の可能性も
・許認可や買収する会社の実績、取引口座が維持できる ・株式を買っただけでは、従業員等は辞めてしまうかもしれない ・消費税が非課税 ・購入側は「のれん」部分を償却できない。 ・収入は譲渡所得の対象 |
・契約は煩雑だが、必要なものだけ承継でき、簿外債務の発覚等の予期せぬ事態がない・許認可等、取引口座等、承継会社に売買で移転できないものがある
・従業員個々と雇用契約を締結する ・消費税は課税 ・購入側は「のれん」部分を償却できる。 ・収入は法人税の対象 |
ざっと記載しましたが、どの方法が良いのかは一概に言えません。関係する会社のニーズに沿った手法を採用することになります。
(2)譲渡価格の決定
事業自体の評価額は、考慮要件が多く、評価する人によって大きく異なり、絶対的なものはありません。同じ人の評価でも、税等の要因で株式取得と事業譲渡の方法が違えば金額が違います。ただ、会社の持っている財産や将来の利益が買い取りの原資なので、その評価以上の価格にはなりません。業種にもよりますが、会社の事業全部を買い取るほど価値がある会社は非常に少ないと言われています。
前経営者への代金支払いは、事業の買取価格のみに反映されるわけではなく、退職金の支給額等も合わせて検討します。買う側としては、退職金か出資か財産の取得かという名目でなく、買収関係の支出額全体を回収できることが大事だからです。
(3)買い手が付く会社
株式取得を前提とすれば、遊休土地や会員権等、事業に無関係な資産を持つ会社は、買い手も価格も付きにくいです。また、社長の同族からの金銭の貸し借りがある会社も株式取得に向きません。シンプルな構造が好まれます。また、買収の引受先は銀行や行政等であっせんの手助けをしていますが手数料もかなりかかるので、自力で買い手が見つけられればラッキーだと思います。
○リオデジャネイロオリンピック、連日興奮して応援していた方も多かったのではないでしょうか。私も3年前に楽しくリオに行ったことがあって、少し懐かしかったり、知り合いになった矢澤きょうだいがボート競技に出場したりで、ちょっと違う楽しみ方もできました。でも印象深いのは、体操の内村選手の個人総合で勝てる選手がちゃんと勝つことの大変さというか凄さに感動しました。
○連日、メダル獲得ラッシュに沸いたわけですが、長野県出身者が3名もメダルを獲得しました。ちなみに、リオ五輪まで長野県出身者は夏のオリンピックにおいて個人種目でメダルを獲得したことがなかったという記事を読みました。ちなみに沖縄と福井もいないそうで、この両県は、今回も獲得なりませんでした。
○その記事を読むと長野県は、昔から教育県だったので、将来実質的な役に立たなさそうなスポーツに人生かけさせないからでは?という主旨の解説がつけられていました。ちなみに長野県出身のプロ野球選手もJリーガーも少ないので、スポーツを徹底的にやらせる環境はなかったのでしょうね。
○私も子どもの頃、変に嵌ったら困るからという理由で、親に芸術、音楽等のおけいこ事をさせてもらえなかった記憶があります。その頃、長野は既に教育県でなくなっていた気はしますが、そういう保守的というか体面を大事にする考え方が広く浸透しているかもと妙に納得しました。反対するまでもなく、私のような才能がない人にとっては、年を重ねた今、楽器が弾ければ楽しいだろうと思うのですが。