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宇賀田会計事務所ニュース平成27年4月版

2015/04/10

宇賀田会計事務所をいつもご利用いただき、ありがとうございます。スギ花粉症の季節まっただ中ですが、私は年々症状が重くなっている気がします。花粉症カレンダーを見ていると色々な花粉症があるようです。困ったものです。

1.   高齢者と税金

所得税の確定申告シーズンが終わりました。そこで気が付くのがご高齢の方が増えていることです。お元気な方も多いのですが、年々物忘れひどくなり、介護が必要で、御子息が申告を手伝うケースが増えています。少し留意点に触れたいと思います。

(1)高齢者に適用される税金

①   年金の税金

年金は、意外と分かり難い税制で、民間の年金や恩給、公的年金で扱いが異なり、公的年金でも年齢によって控除額が異なります。ここでは、公的年金の収入が400万円に満たない方で、これ以外の所得が20万円未満の方は確定申告の義務がないことを改めてお知らせします。当事務所や無料納税相談でもあるのですが、医療費控除を受けるために、ほぼ年金だけの申告で確定申告をすると、なぜか納税になってしまうケースが散見されます。とても申し訳ない気持ちになりますが、申告しようとする方がバカを見るような仕組みはいかがなものかと思います。

②   所得税で受けられる控除

配偶者控除・扶養控除ともに70歳を超えた方について48万円と大きくなります。

③   障害者控除

年齢と共に障害が出てくると思います。障害者手帳が発行されないケースでも認知症や寝たきり状態が長期に続いている場合で申請すると、その程度に応じて、障害者控除にかかる認定書等が発行され控除をとることができます。

(2)高齢者の意思決定能力の問題

高齢者の方が認知症等になると正常な意思決定ができない、つまり意思能力がないとされます。その結果保護される面もありますが、実生活で重大な課題となるケースもあります。

①   不動産・資産の売買・抵当の設定ができない。

老後の資金源として所有不動産を売却が考えられますが、意思能力がないと相続発生まで原則売却できません。同時に借金もできず、抵当権の設定も困難になります。会社への担保提供、自身の土地にお子さんがローンで家を建てること等もできません。

売却は、後見人を立てることで可能なケースもあります。ただ後見人も非常に煩雑であり、成り手の確保も難しい上、そもそも財産の保全が後見人の役割なので抵当権の設定などはできないと考えられます。

②   遺言や信託

意思能力がないと判定されてからの遺言書や信託契約は無効です。相続税対策だけでなく、争いを避ける意味で遺言書などは効果的ではありますが、元気なうちでないと効果を得られないどころか、争いの種になります。

対策としての決定打がなかなかありません。元気なうちに老後の準備を行うことは、家族や同族会社にとって非常に重要なことと思われます。

○先月の日経新聞「私の履歴書」は、元官僚の古川貞二郎さんのものでした。正直、公務員というと実際どんな仕事か知らない所が多いのですが、とてもダイナミックなことを政治と協力し、責任もって全うしていく面白い内容でした。相当遅ればせながらですが、私も公務員になってみたいと思いました。

○多分、国家公務員は日本の大きな枠を捉えながら、市役所の職員の方は本当に近くの支えとして活躍しています。ただ、宇賀田家では、次男坊だった私にすら「公務員は大変だからなるものじゃない」と父に教えられました。それを疑問にも感じず、今までなってみようと考えたこともありません。母は「安定してて良いと思う!」と言ってた気もしますが。

○長野に戻って公務員の方と接する機会もあります。皆さん非常に一生懸命仕事に取り組んでいます。でも彼らには明らかに立場があり自分の良かれと思うようにはできませんし、言いたいことも素直に言えません。それを補完するというか、もっと進められるようにしていくのが、民間の立場だろうと感じます。

○父もすっかり弱り、どんな意識で税理士をそして事務所を営んできたのか聞けなくなってきました。父の「公務員は大変だ」というのは、息子に跡を継いで欲しいというより、自由に欠けるのはツラくつまらないと思ってたんでしょう。専門家らしくかな。

 

 

 

 

 

 

 

 


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