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減税の結果、当期3兆円上場企業に損が出る

2012/02/10

今日の日経の記事です。

来年度から法人税率が5%引き下げになることに伴いまして、繰延税金資産という資産が減少して、当期の上場企業の損益が全体で3兆円減少するそうです。

減税なのに減益?これから利益が増えるはずであろう企業群なのに、減益になるなんて矛盾している気もします。

でも繰延税金資産というのは、まさしく『資産』なので、減ると企業は損してることになります。

繰延税金資産というのは、直観的には「税前利益」と「課税所得」の累計の差に『税率』をかけた金額なので、税率が下がると、資産の金額も小さくなる→損が出るという仕組みです。

税務署に損金と認めてもらえるのは、相当損が確定した最後も最後なので、それ確定したら税金減るじゃん!ってことで繰り延べた税金の「資産」になっています。日本ではなかなか損金にできないので、特にこの繰延税金資産がガンガン巨額になってしまいます。

仮定計算(だって5年も課税所得見積もっちゃうんだよ)が多い上に利益への影響もバカデカイ。だから、監査でもこの検討だけでとてつもない労力が割かれます。でも、これを適用した決算書が、利害関係者の意思決定に有用かな?と正直良く思います。将来払う税金が減りそうって、参考情報程度でいい気がします。

 

日経等新聞各報道が「繰り延べ税金資産」と表記するのには、やや抵抗があります。「繰延税金資産」が正しい会計用語では?少なくともこの記事につかう日本語としてはこっちが正しいと思われます。

繰り延べ税金資産は、会計学者用語なのかな?だれが使ってるコトバなのか、ちょっと知りたいです。

 


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