大王製紙の決算修正
2011/12/14
会社から多額の資金を持ちだしてスッちゃった会長に関して新事実かと思いきや、それらとは関係ない項目だそうです。
決算修正の中身を見ていると、繰延税金資産の過計上、関係会社への出資や債権の評価が甘い件、関係会社の固定資産の減損、持分法適用会社との固定資産取引の取消。
意外と多岐に亘っています。
1個1個。非常に会計的に複雑な論点で、経営者にとっても、監査においても「主観的判断」が絡むなかなか難しい部分であります。
ただ、読んだ感想としては、どれもこれも普通に過去の監査時点で、かなりのトピックだったと思われる事項でありまして、その段階で判断できたなら、改めて訂正すべき項目なの?という感じがします。つまるところ、監査人も例の会長には何にも言えなかったんだろうなあって、推察されるプレスリリースです。
会長関連で財務諸表に影響しそうな項目は、検討中だそうです。持ち出したお金の貸倒引当金とか、会社が会長にしている債務保証があるとかだと思 われます。ほかにプレスリリースには連結の範囲の再検討とありましたが、事件と子会社の範囲に密接な関係があるとも思えず、多分、会長が大株主をやっている会社 を、大王製紙本体が把握できていなかっただけなんでしょうね。
100億円もの持ち出しを断れないくらいですから、『会長、どこに出資しているか教えてくれませんか?』と聞いて『教える必要なくない?』と言われれば、それ以上調査できないですよね、間違いないなく。納得。