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法人税特区による支援

2011/10/12

東日本大震災から特に東北地方沿岸部で企業の再起不能、撤退が起こっているそうです。

会社がないと仕事がない→職がない→住んでられないの循環で、復興にも支障がでるということで、新たに東北地方の一部地域に本社を設置した会社で諸要件を満たした時に、最大5年間の法人税非課税措置を立法化するという報道がありました。

なるほど、一理ある。

でも、これらの税制、その『諸要件』というのが大きなポイントになります。

もし、その地域で開業した会社が5年間非課税ってことだと、多くの税金を払いたくない会社は一時的にでもその地域に本社を移すわけです。別に登記上の本社で、住所をアパート一室に限定するのなら、お金もかからず、税金だけ免れられます。

それを許さないために、いろんな要件をつけるのですが、(例えば雇用人数とか、本社の支社に対する規模要件とか)そういう脱法手段の穴を埋めようとすると全く免税措置を使える人がいない困った税制になってしまいます。

今回は、沖縄でも経済振興策として、その措置を導入しようという動きがあるそうです。

以前から沖縄は、経済特区として減税措置がかなりあったんですが、その要件が厳しいことから、沖縄進出企業の2社しかその制度の適用できなかったという例を聞きました。

租税回避とその穴を塞ぐ。税金納めない人が増えればむしろ復興の足かせかもしれません。でも、そういう人だけがそういうところに積極的に出店するというのも、また事実です。実現困難な要件は結局法律があることの意味をなくします。

そんな法的措置より、モラルが高いことが経済が最も活性化する前提条件なんだろうなといつも思うのです。


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