正しそうで、正しくないこと
2023/04/07
〇WBCが大変盛り上がっていました!私は、野球にあまり興味がもてないのですが、大谷翔平選手のすざましさも、日本にこんないい選手がいるのかに感動しながら見ていました。
〇一番すごいと思ったは、栗山監督です。このメンバーを招集し、そのモチベーションを向上させるとか、普通の人ではできないことばかりで、スターを集めて優勝させるその手腕に感激しました。いろんなエピソードが出ていますが、準決勝のリードを許した状況で、それまで不本意にも凡退を繰り返していた村上選手に強打させて、結果2塁打を打ったのは、大きな分岐だったように思います。
〇これについて「勝ったからいいものの、あそこは打たせても打てる可能性が低いから、別の手段(代打とかバントとか)が正しかった」という人もたくさんいました。確かに結果論ではあるのですが。
〇この意見の賛同できない点は、点が取れる可能性が高まると勝つ可能性が高まるという発想は、必ずしも正しくないところです。判断すべきは、期待値の大きさです。期待値は、確率に成果報酬を掛けることで算定します。この例でいうと、あの場面の消極策がうまくいき1点とれたとしも必ずしも勝つわけではないが、2点とれば必ず勝てる上に、皆が調子に乗るので、成果の大きさが比較にならないほど大きいです。つまり、確率と成果の掛け算だと後者が圧倒するでしょう。ギャンブルで勝てない人と話していると、「当たる」と「儲かる」の違いがわかっていないことが多く、この理屈が苦手なように感じます。
〇私は。会計士なので、何かとリスクの説明をしますが、ビジネスにはリスクがつきものです。リスクなくして大きな成果を得られません。抱えるリスクとリターンのバランスが事業の継続・発展に不可欠です。少なくとも新しいことに取り組んでいく姿勢だけは失わないようにしていきたいものです。