白鵬と伝統
2021/10/06
〇横綱白鵬が引退します。優勝45回(2位は大鵬の32回)、幕内通算勝利数1093勝(2位は魁皇の879勝)という傑出した記録をもつ大横綱です。今後は親方になり後進の指導に当たるそうですが、勝つことを最優先と考え、かちあげやガッツポーズなど横綱審議委員の方々から苦言がでることも多い横綱でした。
○大相撲は、日本の国技とは呼ばれる伝統競技ですが、その横綱が番付に出るのは明治の頃で、まだ100年程度だそうです。そのころは強い+ちゃんとした後見人のような人がついている大関が名乗れたそうです。種々の苦言を呈する横綱審議委員会は、もっと新しく、実際の横綱推挙は、1958年からだそうです。それまで横綱は、名誉職で、選定基準も曖昧すぎたことから客観性を少しでも与えるべく設置されたようです。それでも十分ではなくて選定時のなぜなのか問題は、今も発生しています。
○ありがちな勘違いなのですが、昔からありそうなものや、伝統的に行われていそうなことは、実は大した根拠もなければ、意外と最近始まったものも多いです。日本で革命といえば明治維新で、冠婚葬祭などの風習も大正あたりで大きく替えられたことが多いそうです。横綱が強くて格式があるべきとういうのは、昭和の人の「ヒーローとは?」の定義なのかなと感じます。
○昭和。敗戦から高度経済成長、バブルと激動の時代ですが、どんどん広がり、豊かになった良い時代です。伝統の堅苦しく勤勉な部分でなく、大きく楽しくなっていった昭和な雰囲気がでるような良き風習が出てきてほしいです。