フリーランスの良し悪し
2019/09/01
○たまたまインターネットテレビで宮迫さん田村さんの記者会見を見ました。一生懸命で共感を得られる上手な記者会見でした。反社会的活動を収入源にしている人からギャラをもらって隠ぺいしようとしたことが、社会的に問題と思われますが、いつの間にか吉本興業が悪者になり、タレントが可哀そうという雰囲気に変えてしまいました。
○彼ら芸人さんの立場は、多分いわゆるフリーランスですが、受注が強大な力を持つマネジメント会社1社からだけという特殊さがあります。中小企業もそうですが、極めて少数の取引先にほとんど全ての売上が集中するのは大変危険です。パワーバランスが取れず、下請いじめが発生しやすくなります。最低賃金もかなり上がるし、会社で雇用できず、また働き方改革の結果としてフリーランスが増えそうなので、どの業界でも問題になりそうです。
○一方で、発注企業である吉本興業は、リスク管理がないも同然でした。明文なき契約と有利な立場を利用したハラスメントととられる行為。同時に自分の会社にとっても最大の痛手となる、所属タレントと反社会的団体の接触対策を講じてない。いつか必ず爆発する地雷を放置していたといえそうです。
○派手な業界の話でしたが、私たちの周辺でも大体似たことが日々起こっています。有名人みたいに記者会見で訴えることはできません。取引先の分散、他にないノウハウの取得とか法律に訴えるとか別の手段が必要です。基礎となる契約書の文書化なんかも課題ですし、取引にかかる大きなリスクの事前把握や排除も難しい。会計事務所もこんな分野でも役に立てるように取り組まないといけません。