長野市の水道料金が上がる見込みです
2012/12/01
全く最近更新していないブログ。良くないです。
さて、今日は長野市上下水道事業経営審議会がありまして、長野市上下水道局の上水道料金をどうする?という会議に参加していきました。ちなみに私はその委員です。水道料金という、とても公的な料金の改訂、しかも値上げ答申見込みということで、マスコミの方もたくさん来ていました。
イベントとかでこのくらいのプレスリリースできれば、楽しいでしょうね。
そんなことはさておき、値上げ見込みということは、委員として参加していると既定路線というか仕方ない状況のようです。
高度成長期に埋設した水道設備が耐用年数に達していて、1400億円を超える更新費用が必要らしいです。そんな水道局の売上は60億円くらいです。税金補てんじゃないの?という方もいるかもしれませんが、下水道とは違って、普通に原則応益者負担でして、今のように普段の水道の供給のために税金が普通に投入されているのは、ここ数年のことらしいです。
老朽化は深刻でして、計画的な更新に24億あまりつかってますが(1400億に何年かかるでしょう?)、臨時の修繕等にも5億弱?かかっています。これは、毎年10%程度伸びています。古くなってどんどん水道管が破裂しているということみたいです。水道破裂で道路陥没のニュースとか良くありますよね。
老朽化の問題は、全国各地で問題になっているそうです。そのうち破たんする水道局がどこかしらで出るんでしょうね。
長野市は、広い山間部を有していて水道整備にお金がかかりやすいという傾向があります。さらに、平成21年までの15年間一度も値上げをしてこなかったという影響もあり、全然お金が貯まっていないという状況にあります。
その上、少子高齢化、節水(家庭でもトイレも洗濯機も節水ですもんね)が進み、水道必要量も減少傾向。水道料金が高くなると事業用には地下水利用が増えるということもあり、今後の需要は減少すると言われています。また、広域合併によるコスト増も結構なものです。
いやー、暗い将来です。年金も健康保険の社会保障問題もそうですけど、結局なんかうまくいってた時期にカネ使いすぎちゃって、古くなったら困っちゃう的な感じです。
率直に、日本全国どこでも蛇口をひねれば飲める水が出るという時代はもうそんな長い将来まで続くことではないんだろうと感じます。忘れかけてますが、医療が普通に受けられるのも、年金がもらえるのも、水がでるのも、贅沢なことなんです。
で、今回の審査会に出てのその他の感想
・審議会の構成メンバーの年齢が高すぎる。未来の人へつけの支払いを要求している審議会で未来が長くない人ばかりで良いのか。公募もありますので、若い方にも参加してほしいです。
・意外と参加メンバーに強い主張がない。全くわかってなかった人も結構いたのでは?私も良く分かんないなあという点は結構ありましたが。
・資料が難しすぎ。例えば下のURLに年報があります。決算書とかも公認会計士の私が見ても構造理解に時間がかかります。正確な理解できているかもお恥ずかしながら分かりません。一般の方にはほぼ不可能かと思われます。変な用語も多いですし。名誉のために書いておきますが、長野市上下水道局の財務諸表は先進的に開示を行っているそうです。開示なんてどうでもいい水道局は全国各地にたくさんあります。
http://www.nagano-water.jp/intro/toukei/index.html
この手のマイナーな会計基準って、偉い先生が自分のエゴで作ったとしか思えません。他にもそういう会計ってたくさん見ます。全然分かりやすくない上に、知りたい情報の抽出はできなかったり、かなり時間がかかります。
これに限らず公会計ってもうちょっとちゃんと整備すべきだよね、って思います。
とにもかくにも、お風呂に入るときには、キレイな水に感謝します。