AIJと年金基金の積立不足
2012/03/24
AIJ問題というのは、個人的にはとても興味があるニュースでして、報道に接するたびになんか書こうと思うのですが、結局ブログ放置になっています(――;
AIJで委託された厚生年金基金が1,000億円以上喪失したといいます。
それで、基金を喪失した総合型年金基金がかわいそうなんて話もでます。「救済」なんて堂々という人もいます。
AIJがやったことは社会的に許されることではありません。年金基金を失った人が可哀そうなのも分かります。
でも救済っていうのは、どうなんでしょうか。
この事件の背景というか根本原因は、年金基金運営側の努力不足、怠慢だと私は思っています。
どこが努力不足か。
1.5.5%の利回り保証の放置、代行運用部分を返還していない
2.給付制度設計を変更していない。
企業年金、厚生年金基金の積み立て不足が深刻だという問題は、10年よりもっと前からずーっと言われていることです。
会計マニアなら、それが退職給付会計導入の経緯のひとつということも周知のことです。
そこで多くの大企業は、退職給付制度を変え5.5%の切り下げや、確定拠出に変更するとか、国に代行運用部分を返還して穴埋めしてといった措置をとり、なんとかやろうとしているのです。
今回被害にあった多くの総合型年金基金はなんでしょうか。ただ、利回らない!と嘆いているだけです。
10年利回りゼロと5.5%複利運用保障との差異はいくらでしょう?1億円10年でざっと、8千万円です。既に、そのような感じで足りてないのです。
そこで、7%で利回るという非現実的なものにギャンブルしてしまう。これじゃあ、競馬よりも確実に損をする。
そして総合型の年金基金に加入する多くの企業は、「そこそこ」の中小企業です。
大企業であれば、自助努力して穴埋めする。もっと小さい企業はそのような基金に加入していない。
救済するのが、果たして善なのか。
また、国の代行運用してたのは、昔は5.5%以上で運用できたからです。当時の実だけ食べて、その後の怠慢はほかの人にケツを拭かせる。
最近、こういう政策とかが増えてる気がして残念です。