宇賀田会計事務所ニュース 平成23年2月号
2011/02/03
宇賀田会計事務所をいつもご利用いただき、ありがとうございます。
1. 確定申告の時期が近づいています。
今年も3月15日までの確定申告の季節がやってきました。
(1)申告書の関係
昨年、弊所で申告書の作成もしくは申告をして頂いたお客様には、事務所からハガキを送付しており、順次スタッフより電話にて連絡させていただきます。
税務署からもハガキが行くはずですが、確定申告の申告書用紙は基本的にお手元に届きませんのでご注意ください。届かなくても納税義務がなくなったわけではありません。また、不動産の売却等を行った場合には譲渡所得の申告が必要になりますが、その場合も譲渡所得の申告書は送られてきません。ご注意ください。
(2)所得税の改正点と準備するものリスト
今年の所得税の確定申告ですが、特段大きな税制改正はありません。気になる点がある方はお気軽に事務所までお問い合わせください。
給与、年金等の所得があるお客様にご用意いただきたいリストを添付いたしました。ご活用ください。
(3)贈与税
所得税だけでなく、贈与税の申告期限も3月15日です。本年度は、住宅取得資金の贈与の優遇が拡大していますが、ほとんどの優遇は、申告をしないと受けられません。贈与税の申告も承りますので、御用命ください。
(4)消費税
個人消費税も申告が必要ですが、こちらの締め切りは3月31日です。
法人なり・廃業をしたばかりの方で、消費税払っていた方(前々年の年間売上高が10百万円を超えるかた)は、今年も消費税の申告が必要になります。
ご注意ください。
2. 相続税・贈与税の改正について
予算とともに平成23年度税制改正が審議されています。いろいろな税目が変わりますが、今回は相続税と贈与税の改正見込みの点に触れたいと思います。
(1)基礎控除の大幅減額
税制大綱どおりの改正となると、現行の(5,000万円+法定相続人数×1000万円)という基礎控除が(3,000万円+法定相続人数×600万円)に大幅縮減されます。相続人が3名だと8,000万円→4,800万円になってしまいます。
同時に、税率も最高55%にあがるようで、基礎控除後の相続人あたりの取得資産が2億円を超えてくるとかなりの増税になるようです。
相続税は、平成21年で亡くなった方の4%が対象となる程度で、負担する人が極めて少ない税金だったのですが、改正により負担する人が相当拡大すると思います。
対策をする意味も増えると思いますので、心配な方は、一度ご相談ください。
(2)死亡保険金控除の限定
今まで、相続人1名あたり500万円が認められていた死亡保険金の非課税枠ですが、未成年者、障害者、相続開始前に生計を一にしていた相続人に限定されます。今までよりも大幅に範囲が狭まりますので、相続対策で保険をかけようという場合には、注意が必要です。
(3)贈与税の改正
贈与税は、若干の税率緩和が予定されていまして、自分の子供、孫への贈与が行いやすくなります。ただ、110万円の基礎控除は据え置き、最低税率の金額範囲もそのままなので、大きな緩和というわけでもないと思います。
3. 長野県内での相続税の調査
相続税の話が出たので、もう一つ。長野県で2009年7月から2010年6月までに行われた相続税の税務調査の結果が公表されました。
申告漏れ件数は、224件で申告漏れ金額が平均で3,992万円、88.2%が重加算税の対象とのことでした。
申告漏れ平均額が3,992万円というのは、多分どこかで凄い金額の申告漏れがあったのが原因だと想像するのですが、88.2%が重加算税の対象になっている点は驚きです。
確かに、現金預金の申告が漏れてたり、多額の預金移動が調査で発見されると重加算の対象になることがあるのですが、ここまで多いのは、重加算の対象の仕方がおかしいのでは?と思ってしまいます。
良くあるのですが、病気の親御さんがいて、悪いと思って医療費をお子さんが負担するのですが、最後亡くなる直前に親御さんの口座からお金を動かしてしまうような場合です。この場合に、大抵は資金移動分を相続財産とみなされて、重加算の対象となってしまいます。親族の銀行の記録は100%税務当局で把握可能です。
また、110万円の贈与税の控除範囲で資金移動を行っていても、税務申告がなくかつ贈与を受けた側がお金を使っていないとか、入金を親御さんが行っていたケースは、被相続人の「名義預金」とされやすいです。
正当な理由で使えるお金は、できるだけ御本人に負担してもらう。贈与でもらったお金を優先して使う。こういう何気ない行動が、実は確実に相続対策になるようです。
4. 公益法人制度改革のはなし
普通に暮らしていると全く関係がないことなのですが、最近、公益法人改革というのがあります。より公益的なものを世に広げつつ、官僚との癒着の温床だったり、とにかく増えすぎた公益法人を整理しようという制度改革です。
皆様の業界団体や同窓会などでも「社団法人」「財団法人」となっている組織があると思いますが、全てのこれら法人が改革の対象で、平成25年11月末までに「公益財団・社団法人」もしくは「一般財団・社団法人」になる手続きを行わないとなりません。
この手続きは、結構大変な作業になるケースが多いです。平成25年11月までとやや先のことに感じられるかもしれませんが、普通に準備しても、移行申請で1年近く必要になるようです。
ほとんどの公益法人は未着手なようなので、どうなるの?とも思いますが、当事務所でも相談、具体的な事務作業の請負まで行っております。
困っているようでしたら、一声かけてください。
———————————————————————————————————–
○ルーマニアでは、魔女という職業があるそうです。魔女に当たる人は、税金を納めなくても良かったそうで、税法改正により魔女にも所得税が課せられました。そして、怒った魔女たちは、国を呪うぞ!と騒いでいる―というニュースをやっていました。日本では、考えられませんし、さて魔女の収入減ってなんでしょう・・?
○ルーマニアの税制は全く分かりませんが、途上国では経済インフラが十分に発達してなく、所得の把握が現実的には非常に難しいようです。なので、国が簡単に管理できるものだけに課税する場合がよくあるようです。韓国だと、かなりの取引を国が把握でき、給付つき税額控除制度の基礎になっています。税も国によっていろいろです。
○魔女といえば、私は宮崎駿監督の「魔女の宅急便」が大好きです。私が働きだす前からのお気に入りの映画でしたが、最近では感動して泣きそうになります。
○主人公の魔女キキは、13歳で親元から独立し、唯一の特技である「箒で飛ぶ」ことを武器に、宅急便の開業を思いつきます。価格設定、サービスなどを考えて、周りの助けを受けつつも、見事に開業→事業を軌道に乗せ、生活していくのです。そして、知らない土地で冷遇を受けることがありながらも、最後には街の人気者になるのでした。なんてすごいでしょう!
○私も、キキと同じく個人事業主でして、うまくいかないことや残念なこと、クヨクヨすることもあるのですが、「魔女の宅急便」を見ていると13歳の女の子が前向きに頑張れるのに、35歳の男がうなだれている場合でないと、奮い立たされるわけです。
○最後は、キキから故郷のお母さんへ「落ち込むこともあるけれど、私このまちが好きです。」のメッセージ。まさにそのとおり。地元で事業をやる原点ではないでしょうか。
○そんなことを、暑苦しく話していると、隣で妻に、「よかったねー」と冷ややかに流されるのですが。(私のブログのネタを加筆修正しています)
|