宇賀田会計事務所ニュース 平成22年11月号
2010/11/02
みなさま宇賀田会計事務所をいつもご利用いただき、ありがとうございます。突然寒くなってきて、皆様体調には十分ご留意ください。
1. 小規模企業共済のはなし
小規模企業共済はご存知でしょうか?
ざっくりとした説明ですが、20名以下(サービス業だと5名以下)の企業の経営者が加入でき、月々上限7万円まで退職金の原資を積立てられる制度です。
この長所は、掛け金の全額が個人所得の控除対象となり、受け取る際は、退職所得としてやすい税金になることです。
退職金は、勤続年数あたり40万円までは必ず非課税なので、月々3万円ちょっとの積立だと、所得税の一切かからない貯金ができることになります。長期の運用では、いろいろな生命保険商品などがありますが、多分これより大きい節税効果のある商品は存在しないと思われます。
平成23年1月から、制度改正となり、個人事業主だと、本人のみしか加入できなかったところ、経営陣であれば複数加入できるようになりました。奥様など共に働いていらっしゃる方がいて加入できるのでしたら、ご検討いただいたらどうでしょう?
2. 中小企業のM&A事情
M&Aというと大手や都会の話と思われている方も多いようですが、中小企業でも良くある話になっています。私の周りでもボチボチあるので、世の中では相当な件数があるのではないでしょうか?特に、後継ぎのいない会社や早く仕事を辞めて次の人生を目指したい方にとっては、有力な手段です。
① 方法
M&Aには、株式取得、営業譲渡、合併などが主な手段であります。ケースにより税的にものすごく大きな差が出るので、手法選びも大切です。
うまくいくケース
結局のところ、価格や処遇が問題となります。
基本的に、「儲かっていない会社」を売却するのは困難です。儲かっていない会社は、金を払って引き取ってもらうつもりでないと、引取手など現れません。
また、過去からの処置に困っていること(不良債権、貸付金、借入金(代表者勘定)、利用できない土地など)があると、これまた難しくなります。株主が多い、名義株主なども問題です。
これらの項目は普段の経営上も負担となるケースが多いので、日ごろから処理を進めるようにしましょう!
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○先日、将棋でコンピューターソフトVS清水一代女流王将(当時)の公式対局が行われました。結果は、大方の予想通りにコンピューターの勝利に終わりました。
○8×8マスのチェスでは、既にコンピューターの方がトッププロより強くなっているのですが、9×9マスでかつ取った駒の再利用が可能な将棋では、羽生名人いわく「アマチュアトップくらいの実力」だそうです。将棋は、女流がとても弱いので対戦した清水女流王位の実力はアマチュアトップに負けても普通です。ただ、将棋連盟は、プロとソフトの対局を基本的に禁止しているので、ソフトの実力は適切に把握できていません。
○数年前に、ボナンザというソフトが開発され、この手法を基に開発が進み、コンピューターは強くなりました。その局面から想定できるあらゆる手を計算して、その状況(駒の損得、王将との距離など)を関数にして評価するという手法です。コンピューターは手の可能性が多い序盤は苦手で、プロの実践例を組み込み対応しています。逆に直線的な読みで済む「詰み」を発見する能力は人間以上らしいです。ちなみにボナンザは、無料でダウンロードできるのですが、とてつもなく強く、私など遊ぶ気もしません。。。
○人間の場合、強い人ほど手を多く読まないで、なんとなくの模様(大局観)を優先するらしいので、その思考がコンピューターにできるかどうかというのも研究テーマのようです。このような考え方がより多く必要な囲碁では、コンピューターはまだアマチュア段位レベルと言われています。次の革命的な手法が編み出されるまで、勝負にならないといったところでしょうか。
○どんどんとコンピューターが強くなると、将棋でも人間が勝てなくなる時代が来るかもしれません。でも、勝負ごとの楽しさっていうのは、単に強い、弱いではないでしょう。スポーツでもなんでも、間違えるとか、緊張するとか、当てにならないとか、そんな人間らしさが楽しさを醸し出すのだと思うのです。ただ、将棋みたいなゲームだとそういう解釈は一般にされにくいかもしれません。
○コンピューターが進歩すると、きっと自分で考えるようになって、勝手に間違えるようになるのかなあと私も想像したりします。人間もどんどんと忙しなくなり、上辺だけで深い理解なく、分かりやすいものを好んできているような気がします。将棋とか、分かりにくい、ちょっと難しいものは、敬遠され、コンピューターが最大の理解者に!なんて時代は来てほしくないものです。