スズキの鈴木修会長の講演をききました。
2010/05/18
先週の金曜、ホテル国際21でスズキ株式会社の鈴木修会長の記念講演なるものがあり、聞きに行ってきました。
私は、マイナーな軽でないスズキの車に乗っていることもあり、鈴木会長にはなんとなく勝手な親近感があります。(はっきり言って売れてない車ですが、特に価格性能比でなかなかいけていると思います。)
ご本人いわく、「運がよかった」のひと言なのですが、リーマンショック発生を事前予測し在庫調整したり、1980年代初期のインドにとにかく進出するなど、やはり会社を大きく成長させる経営者というのは、すげーなあと単純に私なんかは尊敬してしまうわけです。
いろいろな話をしてくださったのですが、私も会計士なので、情報の捉え方の話は特に興味というか考えながら伺いました。
どんな話かと誤解を恐れず私なりに端的に表現してしまうと、似たような名前の数字でも本質的な差異がある場合があるので、大事なものを見極めろということです。例としておっしゃっていたのが、「売上高<多分自前で稼いだ付加価値部分のこと>」「取扱高<外注費や材料費も含んでいて、自前以外で調達した分を含む収入合計の概念>」は違っているとかレクサスとアルトでは1台でも全然違うとか、まあそんな話です。
意味は分かります。取扱高が大きいのがスバラシイわけではないということも分かります。ただ、多分取扱高があることにも相当な意味があると、私なんかはこっちに帰ってきて、特に中小企業の経理を見ていると痛感いたします。
会計事務所の仕事というのは、こういう情報の解釈方法や考え方をうまく伝えて理解していただくことなんだろうと思います。
悩ましいのは、思い切って重要そうな会計情報をピンポイントで伝えるていくのか、いろんな解釈ができるから、こういう考えに使いたいときは、あれこれどうだと細部についても伝えていくのかという選択です。
そして、税金計算が主たる仕事ですから、その留意点も強く説明しないといけません。
会計情報がよくわからないではなくって、意味があることを分かってもらえると、きっと会計事務所ってば利用してよかったと感じていただけるはずでしょう。それには、事務所の供給体制(人材育成と確保とか)も含めてどうしたらいいんじゃろとか、どんどんと結論が出ないことをうだうだと考えに嵌っていくのでした。考えるより、やらないといけないんだよ。