もっとスポーツ記者には数値を把握してほしい
2020/01/13
○数年ぶりに全日本フィギュアを見に行きました。女子シングルのフリースケーティングです。代々木体育館の開催だったのですが、見事に当選し、しかも最善列の席でした。こんなことあるんですね。羽生・宇野選手いる男子と比べると、あまり注目されない女子ですが、前半に滑る選手のレベルが格段に向上していて、底上げが進んでいると感じました。実際20位くらいから6位くらいまでなら大差ない気がします。
○点数で決まる競技は、どのようにすれば点数がでるのかという研究が重要です。ルールの中で、どうすればより効率的に点数がでるのか。勝つために必要な点数はどれくらいか。実際ライバルと点差につながる要素はどこか。いろいろな要素がありますが、ルールの理解なくして始まりません。
○東京オリンピックのゴルフ出場権を巡る数字が理解されてないのが気になります。漠然と世界ランク15位以内にいると出場できるという報道がされていますが、実際にはオリンピック出場権ポイントの計算式は、世界ランキングのそれと異なります。どう違うかの説明は長くなるので省きますが、渋野さんが出場権を逃すのは計算式的には、通常ありえないように思われます。記者の人たちが誤解しているとしか思えない記事が散見されていて、それくらい調べろよ、とおもいます。
○フィギュアスケートもしかりで、大きな点差がつく要因の解説がもうちょっとあってもいいと思います。確かに4回転ジャンプは豪快な競技上の見せ場ですし、大きな点数を生みます。しかし、ルールで制限された構成の中では、いかに低い点数の要素を減らしてリードにつなげるかが重要です。紀平梨花さんは、ロシア勢に十分対抗できる点数を出せます。彼女のアスリート的点数要素の素晴らしさも伝えてほしいと感じます。
○ここまで言ってなんですが、点数、点数とガツガツするのは、フィギュアスケートの見方として、正しくないです。点数は伸びないであろう本田真凛さんが取り上げられるのも実物を見れば納得です。競技の緊張感の中、華やかで優雅な演技が、やはり醍醐味で魅了されます。