カルロス・ゴーン逮捕におもう
2018/12/04
○日産を代表するカルロスゴーンさんが逮捕されました。たまたま私は、日産の株式を所有しており、勘弁してよと思いましたが、かの東京地検特捜部が動いての逮捕で、理由が役員報酬の虚偽申告による金融商品取引法違反とのこと。
○役員報酬の虚偽記載を行ったことで逮捕までされてしまうというのは、かなり衝撃的です。有価証券報告書の記載事項のどこに誤りがあっても逮捕される可能性があるともとれます。確かに役員報酬はとても重要な数値です。でも潰れるような会社の粉飾の方が、従業員、取引先への影響を含めて社会的には断然悪なのに、逮捕される取締役は多くないです。ライブドアのときも、本当?と思いましたが今回はそれ以上です。別件逮捕かもしれませんし、報道でもいろいろな憶測ばかりで、事実関係はわかりませんが、恐ろしいことです。戦時の統制目的の逮捕を連想してしまいます。
○公認会計士監査ってなんだろうと、こういう事件が起こる度に考えさせられます。監査は、資本主義社会の自治のために必要な制度で、適正な決算を担保して、株主等の投資家、債権者、従業員等利害関係者を保護する目的があります。役員報酬の虚偽が大悪事と言われると、せいぜい株主くらいに迷惑なだけだし、違和感があります。会計士監査の範囲でもありません。実務的な話をすれば、一般に役員報酬などの数値は、会社の軽い隠ぺいが伴えば、虚偽が分かることもありません。でも、会計士の言い訳ったら言い訳です。
○いずれにしろ世の会計士監査の社会的必要にも疑問符が増す一方。かといってどうしようもなく、残念なばかりです。