雇用すること感情論と
2014/11/07
○青色LEDによりノーベル物理学賞を取った中村氏。発明された当時から世紀の大発明とされ、ものすごい注目を浴びていましたが、さらに有名になったのは、発明が企業のものか、研究者のものかという裁判で、東京地裁が200億円の支払いを命じたためでした。結局、会社と随分と泥沼の裁判となり、8億4千万円で和解といえなそうな和解となりました。
○この訴訟では、発明は研究者のものである事が明確となり、その後企業と研究者間の慣行を見直し進歩させるものだったようです。とはいえ、カネを出して、他にも人を提供している会社がただ一人の研究者にその研究の成果たる対価を支払うのは、納得できないというのも良く分かりますし、訴訟となると心情的に大きな禍根が残ります。ノーベル賞の受賞を機に、中村氏は会社に関係改善を申し出たようですが、会社側から「弊社への感謝で十分」という、「お構いなく」なコメントが出ていました。この対応にも賛否ありまして、、、。
○発明に限らずノウハウというのは、人に大抵帰属しています。それを身につけるまでに、経営側は多かれ少なかれ時間やお金を投資しています。折角成長してきて、これから会社の利益に貢献するときに、会社辞められてしまうと、やるせないです。一方、私もサラリーマンの頃、法人をやめるのが申し訳ないと思ったかというと、そんなことはありません。埋まらない溝が確かにあります。
○これからの時代は少子高齢化もあり、中小企業が人材やノウハウを維持していき続けるのが非常に難しくなると思われます。従業員の皆様に、うまく気持ちよく働いてもらい、生産性を上がって利益も増える。簡単に書けますが、実際は、ドロドロしたあまり合理的ではない感情論も。どうやって、そういう素養は養えるんでしょう。